涙
時々、事業所内で「涙」を見ることがあります。
ミーティングで、過去を一緒に振り返った時、つらかった過去が鮮明によみがえり、その人は涙を流しました。
人からののしられたこと、叩かれたこと、孤独に立たされたこと、
さまざまな思い出を語るうちに、我慢していた涙がどっとあふれるのです。それでも、その人は話を続けます。
泣きながら、過去を必死で語るのです。もう、あまり言葉にもなりませんが、私たちは、じっと彼の話を聞きました。そして、聞いている私たちも、いつの間にか涙していました。
昨日は、一人の女性が泣き出しました。彼女は自分の気持ちを口に出したり、「なぜ泣いているのか」をうまく説明できません。でも彼女は、嗚咽し、泣きました。素直に悲しみを涙にして、本当に悲しくて泣いていました。
いつも元気な人なので、スタッフはびっくりしました。「どうしたの?なぜ泣いているの?」
でも彼女は答えられません。答えない代わりに、本当に悲しくて涙を流しました。悲しみがとてもこちらに伝わってきました。
しばらくそばにいさせてもらい、気持ちが落ち着くのを待ちました。落ち着いてから、彼女はまた作業をしました。そして少しすると、一人で、別な部屋に行きました。
「さっきはどうして泣いたの?教えてもらえる?」
もちろん、言葉はありませんが、聞くと、目はうるんで、遠くを見つめています。
「悲しかったんだ。」
「うん」
それから数分後、いつものように作業をする姿がありました。
彼女の涙のわけは、わかりません。でも、悲しくて、それを思い出して、彼女はソファーにしがみつき、泣きました。その悲しみの姿は、こちらの胸に痛く突き刺さりました。
「泣く人とともに泣き、笑う人とともに笑う」
理由は後回しにして、気持ちを素直に、一緒にできる場所でありたい。
そう思わされることが、そうしなさい、と教えられることが本当にたくさんあります。