当事者研究
当事者研究とは
当事者研究とは、北海道浦河町にある「べてるの家」ではじまった、プログラムの一つです。
主に、サポート役と一緒に、自らが抱えている問題や悩みについて「研究」というかたちで考え、分析をし、問題を理解するための答えを探していきます。
研究の主体となるのは、あくまでも悩みを抱えている「当事者」。
サポート役は、問題を紐解く手助けをします。
当事者研究では次のポイントを踏まえて研究します。
(1)日常生活上の出来事、困りごとを素材にする。
(2)苦労や悩みをテーマ化し、「何がどうなっているのか」「何にどう対処していたのか」「何にどうすればよいのか」を考える。
(3)苦労への対処法を話し合い、検討する。必要に応じてSSTを使って練習する。
(4)研究から生まれたアイデアは生活場面で「実験」して効果を見極める。
(5)効果があればそれでOK。なければまた次のセッションで再検討。
(6)一定の成果を発表し、有用な生活情報として仲間と共有する。
(※「レッツ!当事者研究1」p.40より。べてるしあわせ研究所 向谷地生良著 NPO法人コンボ出版より出典。)
当事者が主体となり、問題を切り離して、自分で、仲間と、家族と、専門家と連携を取ります。
当事者研究において大切なこと
当事者研究において最も大事となるものは、自身が抱えている不安や悩み、迷いは、人生において「大切な苦労」であるという考え方です。
ネガティブなものではなく、成長のために与えられた1つのイベントであるというポジティブな考え方が大事になっていきます。
当事者の抱える問題・苦労に対して、『共に』アプローチし、研究することで、当事者の『生きる力』へと変わっていきます。
問題は相変わらずあるけれど、『ま、何とかやっていけそうだ』という、生きる可能性を『共に』探し、見つめます。